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司法書士の仕事内容とは?ビジネスモデル・働き方・魅力を解説
司法書士は「行政書士・弁護士・公認会計士・社労士等」と同じ「士業」に分類される国家資格です。身近な「身近な法律の専門家」として、その専門的な法律知識を生かした業務を行います。
司法書士をご存知の方は、不動産購入時や会社設立時の登記手続きの専門家のイメージが強いかと思いますが、相続・成年後見業務や民事紛争の代理など活躍の場が広がっています。
「不動産」とか「相続」ってワードを聞くと将来司法書士にお世話になるかも、って感じなのかな?機会が無いからあんまりイメージが沸かないな~。
確かにまだお若い方は「司法書士」にお世話になるシーンが少ないと思いますので、どのような仕事内容なのかはイメージしづらいと思います。
本ページでは「何ができる資格なのか?」「どのような働き方が出来るのか?」を解説し、司法書士という国家資格の魅力に迫ってみたいと思います。
この記事の目次
司法書士のビジネスモデル
司法書士の仕事でもっともメジャーな「会社の設立登記」を例に、どのようにしてビジネスを成立させるのかを確認して見ましょう。設立登記では様々な手順を経る必要があり、ざっとまとめただけでもこれだけの書類を用意して手続きをしなければなりません。
■会社の設立登記に必要な主な書類 | |
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印鑑証明位は分かるかもしれませんが、その他の書類がどのような意味を持っているのかは想像しにくいと思います。これらの書類を全て自前で作成する事も可能ではありますが、法的な知識の無い方にはかなりハードルが高いと思います。
あなたが会社を立ち上げて事業を成功させたいと意気込む経営者だったとしたら、以下のように考えるのではないでしょうか。
サクッと会社を立ち上げて早く事業を軌道にのせたいのにこんなにハードルが高いのか、時間が無いよ・・・。誰か代わりにやってくれないかなあ・・・。
こんな悩みを抱えてる顧客を見つけたら司法書士のビジネスチャンス到来です。以下のような感じで営業を掛けてみてはどうでしょうか?
会社設立をお考えの方は当司法書士事務所にお任せ下さい、総額25万円から対応させて頂きます。豊富な経験できっとお客様に満足していただけるサービスを提供させて頂きます。定款の電子認証にも対応していますので、数万円のコスト削減も可能ですよ!
これで手続きにかかる「司法書士報酬」をゲットできる他、各種相談に乗ったりする事でどんどん報酬がアップして行きます。複雑な手続きや書類作成に時間を割くのがもったいないと考える経営者は沢山居ます。
また、まともな経営者なら確かな法律の知識を持った専門家に会社の立ち上げをしっかりサポートして欲しいと思うはずですから、世の中の経済活動が続く限りビジネスチャンスはあちこちに転がっていると言えます。
司法書士は会社組織とのトップである経営者と早期に人脈の構築が出来ますので、会社設立後も何かと頼られる存在となるでしょう。一過性ものではなく、継続的に報酬を得るチャンスがあるのも魅力的ですね。
司法書士の仕事は何も登記に限った話だけではありません、他にも沢山の業務を行う事が出来ますので、代表的な仕事を続けて確認してみましょう。
司法書士が出来る仕事とは
司法書士の主な仕事
- 商業登記に関する業務
- 不動産登記に関する業務
- 供託業務
- 成年後見に関する業務
- 簡裁訴訟代理関係業務
- 遺言・相続に関する業務 など
商業登記に関する業務
商業登記とは、会社を設立するときに法務局(登記所)の登記簿に会社の重要事項を記載する事を言います。商業登記によって、商号・資本金・取締役などの情報を公示する事で会社の存在が公に認められる事になります。
商業登記に至るまでには、定款の作成・同意書・決議書・添付書類など相当な数の書類を作成する必要がありますが、司法書士は全ての手続の相談、書類作成、代理を行う事が出来ます。
登記手続きは司法書士の独占業務となっており、もしも資格のない者が代理で書類を作成したり、作成方法の相談に乗っただけでも犯罪となります(※弁護士を除く)。
煩雑な手続きや正確性を要求される書類の作成は、自分自身で出来ない事も無いですが、やはり信頼のおける専門家に依頼するのが安全・確実ですから、司法書士に一式依頼を掛けるというケースが多いです。
不動産登記に関する業務
不動産や土地を誰が所有していて、どのような権利(抵当権)などが付いているかを公示する制度が「不動産登記」となります。不動産は高額ですから、円滑な取引や安全性を保つため、所有者や権利関係を明らかにする必要がある訳ですね。
不動産登記を怠れば、最悪の場合折角買った土地を失うケースもあります。不動産取引では司法書士に登記を依頼するのが普通ですし、融資を行う金融機関や仲介業者等も、法律上問題のない確実な取引をする為に司法書士を頼ります。
商業登記と同様不動産登記も大変内容が複雑で、更に関わるお金の金額が大きいですから専門家である司法書士が求められると言うわけです。不動産登記も司法書士の独占業務となっています。
供託業務
供託手続には「弁済供託・担保保証供託・執行供託・保管供託・没取供託」と様々な種類がありますが、中でも司法書士が最も良く取り扱う「弁済供託」を解説します。
ある日大家さんから来月から家賃を値上げすると通達があり「値上げした家賃じゃないと絶対に受け取らない!」と言われてしまいました。
納得が行かない場合は大家さんと入居者で、交渉と言う名のバトルが勃発するわけですが、もし裁判にでもなったら家賃滞納で不利な状況になるため、その間の家賃を払わないわけにも行きません。
そんな困った状況になった時に「弁済供託」を司法書士に依頼します。司法書士が値上げ前の家賃を供託所(法務局・地方法務局等)に預ける事で、滞納の意思がないことが明確化されます。
供託をすると支払いが済んだのと同じ効果が生じるため、裁判になった時「あなた家賃払ってませんよね?」と不利な状況にはならないという訳です。
弁済供託は、賃貸人(大家さん)から受領を拒否されたケースだけでなく、賃貸人が行方不明だったり、誰が債権者か不明などのケースでも活用できます。
成年後見に関する業務
成年後見制度は精神上の障害により判断能力の不十分な方を保護する制度として、平成12年4月に開始されました。本人に代わって財産管理だけでなく、身上監護に関する様々な法律事務を行います。
認知症や精神障害などで判断能力が不十分となった時、不必要な契約を結んだり、勝手に不動産を売却されてしまうと言った不利益を被る恐れがある場合、家庭裁判所の審判を経て本人に代わって財産管理や契約を行います。
通常成年後見人には親族がなる場合が多いですが、司法書士・弁護士が第三者後見人が選任される割合が増加しています。特に司法書士は初期から積極的に成年後見制度に取り組んでいる背景から信頼が厚いため、司法書士の占める割合が多くなっています。
高齢化社会の到来と共に成年後見業務の重要性は増すばかりですので、司法書士の業務の中でも稼ぎどころと言って良いでしょう。
簡裁訴訟代理関係業務
簡裁代理認定司法書士は「簡裁訴訟代理関係業務」を行う事が出来、請求訴訟額が140万円以下の民事裁判を扱う簡易裁判所における民事事件において、民事訴訟手続・支払督促の手続等の代理が認められています。
例えばCM等で良く耳にする過払い金の請求ですが、140万円以下であれば弁護士ではなく認定司法書士に依頼する事が可能となります。要は少額であればある程度の紛争にも首を突っ込んで仕事が出来るという訳ですね。
過払い金の請求の業務をメインににビジネスを展開している司法書士も存在しています。弁護士は大型(高額)な訴訟案件に回りますので、少額ではあるものの数が多い訴訟案件は司法書士のビジネスチャンスと言える訳ですね。
簡裁訴訟代理関係業務を行う事が出来る「簡裁代理認定司法書士」になるには司法書士の資格を取得した方が、日本司法書士連合会による研修を修了し、事実認定の手法や立証能力や弁論および尋問技術を問う、簡裁訴訟代理等能力認定考査を受験して合格する必要があります。
認定率(合格率)は60%~70%となっていますので、司法書士試験をクリアできるレベルの方ならばそれほど高難易度という訳ではないので、多くの司法書士がビジネスの幅を広げるために簡裁代理認定司法書士に認定されています。
遺言・相続に関する業務
遺言・相続は誰しも避けて通れない道ですが、司法書士が活躍できるシーンが大変多いです。
遺言書の作成や、相続で必ずついて回る不動産の登記、銀行預金を解約したり株式・投資信託などの名義変更をしたりと言った「面倒だけど放おっておけない事」が盛りだくさんです。葬儀の段取りをしながら、仕事を続けながらこれらの手続きを一人で行うのはかなり骨が折れると思います。
司法書士は相続に関する相談も受けられますし、遺言書の作成や、相続による不動産の移転登記の手続きも可能ですから「遺言・相続」という、人生のエンドコンテンツが丸々ビジネスチャンスになるわけですね。
いろんな仕事が出来るみたいだけど?
司法書士の仕事は独占業務以外の細かい業務も合わせると多岐に渡り、それこそ「飲み屋のツケの回収」といった日常的なトラブルに至るまで仕事の幅はかなり大きいのが実情です。
司法書士の仕事は手続きを代行したりと言った事務的側面もありますが、扱う仕事の傾向としては顧客の権利や財産という代えがたいものを守るのが仕事の本懐だと思います。
一歩間違えば顧客の人生を左右するインパクトを与えるかもしれませんし、クライアント(顧客)との折衝を行ってニーズを的確に組む分析力やコミュニケーション能力が求められる仕事です。
それだけに困難な仕事をやり遂げた時のやりがいや、顧客からの信頼は他には代えがたいものとなるでしょう。困難なミッションが課せられるだけに、高い報酬を得る事が出来るわけです。
「気になる司法書士の年収は・・・?」という方は以下の記事で詳しく解説していますので、是非ご一読下さい。
司法書士の働き方とは?
司法書士の働き方は「勤務型司法書士」と「開業司法書士」に大別する事が出来ます。司法書士は独立志向の強い資格なので「即開業!即独立!」と思われがちですが、それぞれの働き方にメリット・デメリットがありますので整理しておきましょう。
勤務型司法書士
司法書士事務所や法律事務所で従業員として働くスタイルです。基本的に会社員と同じですから、一定の保証や福利厚生がある点で安心感があります。一定の収入を得ながら、リスクを抑えてキャリアに磨きを掛ける事が出来る訳ですね。
勤務型の司法書士を目指している方は、勤務先の事務所がどのような顧客をターゲットにしていて、どのような案件を抱えているのかは十分調べておくべきだと思います。豊富な案件や顧客を抱えている事務所に勤務出来れば、優れたキャリアを積むことが出来ます。
勤務型司法書士はリスクは低いものの、雇われである以上収入面はそれなりとなってしまいますので、経営ノウハウや士業同士の人脈を構築したタイミングで独立への道を進む事になると思います。
勤務型司法書士の一種として、特定企業の総務・法務部に司法書士の肩書や知識を活かして就職するという「企業内司法書士」という働き方もあります。
企業内司法書士は自分が勤務する企業の経営方針や事業内容といった背景を踏まえた上で、対外的な契約法務を行ったりするので、会社を内から見た視点で仕事をします。
同じ「勤務型司法書士」にカテゴライズされますが、司法書士事務所に勤務している司法書士とは仕事の視点が異なるのがポイントだと言えます。
勤務している企業に特化した人材になるため、「将来的な独立を目指す」という点では少々デメリットですが、総務・法務部を組織としてもっている企業は大手が多いので、安定した収入で長く勤務出来るというメリットがあります。
開業型司法書士
独立開業は経営者としての腕が問われるため、どれだけ豊富な法律知識を持っていても全く稼げないと言った事が起こりえます。
特に大都市圏では司法書士事務所・法律事務所がひしめいており、常に顧客の奪いあいの状態です。そのため、脆弱な経営基盤ではすぐに淘汰されてしまう、というリスクがつきまといます。
独立開業の前に十分な人脈を構築しておく事も重要ですが、「この分野は勝てる」というストロングポイントを持つのが生き残る秘訣だと思います。裏を返すとなんでも手広くこなしていたのでは、競合に埋もれてしまうという事ですね。
このようにリスクも大きい開業型司法書士ですが、日々組織を強化し多くの顧客を抱えて様々な業務を手掛けるようになれば、一般のサラリーマンでは到達出来ない程の年収を得る事が可能です。
そして何より、誰に指図されるわけではなく仕事を自分でコントロール出来るのが最大の魅力だと思いますし、成功の喜びは雇われの比ではないと思います。
司法書士の1日を見てみよう!
「司法書士はデスクワークばっかり?」というイメージを持っている方が多いかもしれませんが、顧客とのミーティングや手続き等で外出する事が多く、事務所にいる時間は基本的にそれらの準備に当てられる事になります。
ここではとある司法書士の1日のスケジュールを追ってみました。
時間帯 | イベント |
08:30~09:00 | 事務所に到着したら、まずは到着しているメールのチェックを行います、簡易的な相談や質問事項に丁寧に回答を行います、地道な活動が人脈・顧客拡大のコツです。 |
09:00~09:30 | 顧客への訪問予定や、案件の進捗具合をチェックしてチームのみんなに指示を出します。最初はたった1人で始めた事務所ですが、いつの間にか仲間も増えて来ました。 |
09:30~10:30 | 登記のオンライン申請を行います。以前は足繁く法務局に通う必要がありましたが、最近はオンライン申請も出来るようになり、時間を有意義に使う事が出来る様になりました。 |
10:30~12:00 | この事務所では相続・遺言に力を入れており、最近ではセミナーを開くことも多くなって来ました。準団塊世代や高齢の親御さんを抱えた方が、熱心に聞きに来てくれるので期待に応えられるように資料を作成します。 |
12:00~13:00 | 次の案件の移動を兼ねてほんの少しの休憩です。本当はガッツリ食べたいのですが・・・、午後からも人と合うのであんまり重いものは食べないようにします。午後からは、本日のメインイベントの不動産の決済があります。 |
13:00~14:00 | 銀行に到着しました、不動産の決済では売主・買主・不動産会社も同席します。大金が動く瞬間です、名義変更ではプロである司法書士の出番です。書類をチェックして確実に名義変更出来るようにします。 |
14:00~15:00 | 無事決済が終わりましたので、法務局へ赴いて先程の買主さんに名義変更の手続を間髪入れずに行います。事前の準備をしっかりしていたので、滞りなくタスクをこなす事が出来てホット一息です。 |
15:00~17:00 | 事務所に戻って来ましたが、一息つく間もなく債務整理の打ち合わせが1件入っています。開業当初は「重いな・・・(汗)」と思っていた返済や債務整理の打ち合わせですが、最近はいい意味で肝が座って来たようですね。 |
17:00~18:00 | 明日の訪問先やスケジュールを整理してメンバーと共有します。「ゴメン!今日はちょっと早めにあがるね、お疲れ様!」1人の時はこんな事は出来ませんでしたが、任せられる人がいると自由度があがりますね。 |
18:00~20:00 | いつも共同で仕事をしている弁護士とミーティングついでに会食を行います。司法書士の資格だけでは出来なかったビジネスも、様々な士業とタッグを組むことで実現することが出来ます。 |
20:00~20:30 | 今日の出来事や、ちょっとしたトレンドをツイートします。司法書士の仕事を知ってもらおうと趣味程度で始めたtwitterですが、自然とフォロワーも増えSNS経由で事務所のホームページを見てくれる人も増えて来ました。 |
20:30~ | やっと訪れた自分だけの時間、今日も一日お疲れさまでした。 |
デスクワークももちろんありますが、基本的に「案件の準備 → 動く」の繰り返しとなります。もし空き時間があったとしても、知識のアップデートを行ったり情報を発信して顧客を呼び込んだりと、出来る事は沢山あります。
なので・・・、事務所でぼーっとしている暇はありません。
事務所を立ち上げたばかりの頃は、営業・手続き・打ち合わせなど殆どを自分でこなす事になります。しかし、ある程度組織化すると登記申請など定型的な仕事は若手に任せて自分は顧客との折衝メインで動くなど、仕事の幅が広がってゆきます。
司法書士は地道な顧客獲得と組織を拡大によって収入を伸ばす事が可能です。案件を無事にこなして報酬を得ることが出来た時はとてもやりがいを感じると思いますし、様々な人と接するので多くの人脈を築く事が可能な点が魅力です。
司法書士の仕事内容総まとめ
司法書士は、我々の日常生活やビジネスに密着して権利や財産を守る重要な役割を担っています。ライフプランにおける不動産・相続など、誰しもがサポートを必要とするシーンで求められる存在、それが司法書士です。
従来は登記の専門家としての確固たる地位を獲得してきた司法書士はですが、成年後見人や簡裁訴訟代理など時代のニーズに合わせて業務の幅を広げて来ており、今後もますます活躍の幅は広がると思います。
資格試験の内容としても現場(実務)に即した内容となっており、合格後すぐに独立開業出来るポテンシャルを秘めています。資格を持っている事自体が確かな法律知識を持つものの証として機能し、その権威性は法律系資格の中でもトップクラスとなります。
司法書士は、このようにポテンシャルの高い資格ではありますが「難関」として知られています。「よし!早速勉強をはじめてみようか!」という方は、戦う前に以下の記事で「敵」を知って、戦いを有利に進めて頂きたいと思います。